怖くても、話していい
こんな言葉を時々聞きます。 「ずっと人の顔色をうかがってきました。自分の気持ちを話しても、どうせ否定される。だったら、最初から言わない方が楽。」
人との関係の中で、自分を抑え、相手の気持ちを優先してしまう。そうしているうちに、本当の気持ちがどこにあるのか、自分でもわからなくなることがあります。そんなとき、「話していい」と言われても、どう話せばいいのかわからないし、そもそも話すことが怖い。
でも、ゆっくりでいいのです。

カウンセリングという場のこと
カウンセリングは、「何か解決しなければいけない場」ではありません。ましてや、「正しい答えを言わなければならない場」でもありません。あなたが、今感じていることを、そのまま言葉にしてもいいのです。
「何を話せばいいのかわからない」と言ってもいい。 「本当は誰にも話したくない」と言ってもいい。 「ここに来たけど、帰りたい」と思ってもいい。あなたの気持ちが、どんな形をしていても、そのままの形でいていいのです。
「関係」を作るということ
人間関係が苦しいのは、「こうしなければならない」という思いが強いからかもしれません。「嫌われたくない」「期待に応えなければならない」――そんな思いが、自分を縛りつけてしまう。
カウンセリングの関係は、少し違います。
ここでは、「期待に応えること」よりも、「あなた自身の気持ちを大切にすること」が中心になります。「何も話したくない日」があってもいい。 「今日はたくさん話したい」と思う日があってもいい。その変化を、カウンセラーは拒みません。なぜなら、関係はゆっくりと育っていくものだから。

関係が癒しに変わるとき
最初は怖くても、少しずつ、「ここではどんな自分でもいいんだ」と思えるようになるります。そのとき、人との関係が、「傷つくもの」ではなく、「支えになるもの」へと徐々に変わり始めます。
怖さは、誰かにそっと受け止められることで、少しずつやわらいでいきます。カウンセラーがあなたの気持ちをそのまま受け止めるとき、自分自身にも優しくなれる瞬間が訪れるかもしれません。
無理に整えようとしなくても、心は自然に落ち着き、本来の自分がゆっくりと顔をのぞかせます。
だから、焦らなくても大丈夫です。
少しずつでいいのです。

Comments