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執筆者の写真沢雄司

蝋梅とカウンセリング

今日はお寺のお庭に蝋梅(ロウバイ)が咲いていました。

12月の寒い時期に咲く梅です。花びらがロウソクのような透明感があり、臘月(旧暦12月)に咲くことからこの名がついたそうです。

お寺でカウンセリングをする朝には、箒で庭を掃除しています。先日の風で今日はいつにも増して多くの葉っぱが散っていました。裏まで掃除をしていたら、とても開店に間に合いません。大慌てで表を掃除していました。


そしたら、よい香りがして、ふと見ると蝋梅が咲いていました。箒で掃いている手がかじかむような冬の寒い日なのに、きれいに咲いていて、とても良い香りがしました。

それで、ふとカウンセリングのこと思ったのです。嫌だったこと、つらかったこと、そういうお話をカウンセリングでお聞きします。話せてスッキリしても、また次カウンセリングに来る頃には嫌な気持ちが溜まってて、また嫌だったこと、つらかった話をお聞きします。


カウンセリングは心の掃除のようなもので、たまった嫌な気持ち、愚痴を吐き出しながら心の整理をします。繰り返すカウンセリングは、きりがないように見えるかもしれません。しかし、掃除をしていて見つけた蝋梅の香りのように、思いがけない所に花が咲いていることに気づくものです。


しかし不思議なもので「蝋梅を見に行こう、探しに行こう」とやっても、なかなか見つからないものです。見つけられたとしても、「自分の知っている蝋梅を探そう」と意図的だと、「あ知っている形の蝋梅だ、思った通りの蝋梅の香りだ」と感動には繋がらないでしょう。


 自分の心のつらい思いを一生懸命に話していると、ふっと気づくことがあるのです。ですから、「こんな悩みは大したことないんじゃないか」「いつも同じ話をしても」「愚痴なんか話しても」と思わずに、自分のペースで一生懸命に向き合っていれば、気づきがあります。意図しないからこそ、自然と感じられた時に感動します。それが心の糧になっていくのでしょう。


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