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しんどさの底にある「支え」
相談室に届く多くの声は――嘆き、辛さ、不満、悔しさ、そして「もうだめかもしれない」という底の感覚から始まります。 そして私は、その “底” そのものを、ただ “暗いもの”、“嫌なもの” として片づけたくありません。嘆きは、単純な悲観ではなく、人生の厚みと結びついていることがあるからです。 言葉の「下」にあるもの 人は、苦しいときほど言葉が少なくなります。 「辛い」「しんどい・・・」「もう無理です」と、それだけしか言えないこともあります。 けれど、その短い言葉の下には、いくつもの層が重なっています。 ・怖さ(これ以上悪くなったらどうしよう) ・怒り(こんなはずじゃなかった) ・恥(自分はみっともない存在だ) ・孤独(誰にもわかってもらえない) ・期待(本当は助けてほしい) 表に出る言葉が同じでも、下にある層が違うと、心の味わいはまったく違ってきます。 カウンセリングでは、その「言われていない部分」に丁寧に耳を澄ませます。そこに触れられた瞬間、苦しみが“意味を帯びたもの”、“自分の物語”へと変わりはじめることがあるからです。 底にいるときの心境は
3月3日


自己肯定感について
自己肯定感という言葉が出てくると、多くの人はどこかで「上げる・下げる」というメーターを思い浮かべます。体温計のように、ある日測った数値が低いと不安になり、何かを足して温め直さなければならない、ような。点数のように、低ければ努力が足りず、自己肯定感の点数を高くするために努力をしなければならない、そう思う人もいます。 けれども、臨床の場で出会う「自己肯定感が低い」という訴えは、しばしば能力の不足そのものよりも――もっと静かで、もっと切実な問いに触れています。 「私は、私のままでここにいていいのだろうか」 この問いが胸の奥で鳴っているとき、人は資格や肩書きや評価を、心の足場として欲しくなります。足場があれば崩れない。褒められれば安心できる。点数が高ければ自分を許せる。そう信じたくなる。そう思ってしまっても、そのような努力をしていても、責めるべき浅さはありません。人が生き延びるための、賢い工夫でもあります。 ただ、その工夫はときに疲れを生みます。 頑張っても頑張っても、心は「もっと」を要求するからです。 次の資格、次の成果、次の称賛。...
2月13日


がんばりすぎた心に、戻ってこられる場所を
かまくら相談室を訪れる方の多くは、人生のどこかでふっと立ち止まり、「この先、どう進めばいいんだろう」と感じています。 それは、失恋や退職のような大きな出来事のあとだけではありません。仕事を頑張っているのに空回りしてしまう日。人間関係で笑っているのに、帰り道だけ急に泣きたくなる夜。SNSではみんなうまくやっているように見えて、自分だけ取り残された気がする瞬間。 そんなとき、心の足元がゆらぐように感じて、ここに来られるのだと思います。 カウンセリングは、まず「作戦会議」のような場です。 困っているときほど視野は狭くなり、「こうするしかない」と思い込みやすくなります。ここでは一度立ち止まって、いま何が起きているのかを一緒に整理し、どんな選択肢があり得るのかを静かに見渡していきます。 それは勝ち負けを決める会議ではありません。「どうすれば、もう一度ちゃんと息ができるか」を探すための作戦会議です。 同時に、カウンセリングは自分の心への「冒険」でもあります。 普段は近づかない感情、忘れたふりをしてきた記憶、名前のつかない違和感。そこへ一歩ずつ足を踏み入れてい
1月23日


「話さなきゃ」と思うほど、言葉は遠のく
「何から話せばいいか、わからなくて。気まずくて……沈黙が怖いんです」 そう言う方は多い。 沈黙には、いくつかの色が混じっている。 たとえば、胸の奥がいっぱいになって、言葉が追いつかない沈黙。身体が先に知っていて、喉が遅れて理解するような沈黙。たとえば、恥ずかしさで目を伏せたくなる沈黙。「こんなこと言ったら嫌われるかもしれない」と、心が身を守る沈黙。たとえば、ずっと頑張ってきた人に多い、凍りつきの沈黙。何も感じないのではなく、感じすぎないために一時停止している沈黙です。 不思議なことに、沈黙を「埋めなきゃ」と思うほど、心はさらに黙り込みます。逆に、沈黙が許されると、心は少しずつ動き出します。湖の底の砂が舞い上がっているとき、水をかき混ぜれば濁りは増える。でも、ただ待つと、濁りは沈んで、底が見えてくる。沈黙とは、そういう待ち方に似ています。 だんだんと慣れていくと 「ここ、黙っててもいいんですね」と思えてきます。 言葉が生まれる前に、まず“安全”が必要な人がいます。話さなくても見捨てられない、急かされない、評価されない——その感覚が、沈黙の中で育って
2025年11月13日


ふっと立ち止まって、自分に優しくする方法
「もっとちゃんとしなきゃ」 って思うこと、ありますよね。あれもできていない、これもできていない、とつい自分を責めてしまう。そんなふうに自分に厳しいあなたは、本当はとても優しい人なんだろうと思います。 誰よりも「ちゃんとしたい」「ちゃんとした人でありたい」という願いが強いか...
2025年6月29日


前でも後ろでもなく、隣を歩く
こんにちは。今日は素敵な言葉を入り口にして、「心の距離感」について一緒に考えてみたいと思います。 私の前を歩くな、私が従うとは限らない。 私の後ろを歩くな、私が導くとは限らない。 私とともに歩け、私たちはひとつなのだから とても美しい言葉ですね。...
2025年4月25日


話すことが怖いとき
人との関係に悩み、自分を抑えてしまう人へ。カウンセリングは、無理に話さなくても大丈夫。怖さは優しさによって和らぎ、気持ちを受け止めてもらうことで、自分にも優しくなれる。ゆっくりと安心できる関係を築いていけばいい。
2025年3月3日


宿泊坐禅会
臥龍庵にて、学習院大学の坐禅合宿を行った。私は改めて「修行、心と向き合うこと」について考えさせられた。 合宿では、坐禅を組むことはもちろんだが、それ以上に「共に生活する」ということが重要な要素となっていた。皆で食事を作り、共に食べ、風呂に入り、寝る。そして朝が来れば坐禅をし...
2025年2月25日


自分軸を求めて
自分軸とは何か。すでにある「揺るがないもの」自分軸を見つけるために。あなたは、すでに「あなた」
2025年2月12日


死にたい気持ち
死にたい気持ちと歩む道を探す
2025年2月7日


心療内科との違い
沢 :今日は「カウンセリングって何だろう」というテーマについて、湯川さんと話してみたいと思います。湯川さん、まずカウンセリングと心療内科・精神科の違いについて、クライエントさんにどのように説明されていますか? 湯川 :心療内科や精神科は、例えば不安やうつなどの症状を和らげる...
2025年1月23日


対面カウンセリングの良さ
沢:今日は、三木さんと「対面カウンセリングの良さ」について、ゆっくりお話ししてみたいと思います。オンラインやAIを活用したカウンセリングも増えてきていますが、やはり対面ならではの良さがありますよね。 三木:そうですね。オンラインにはオンラインの良さがありますが、対面カウンセ...
2025年1月16日


🌟目をつぶると、見えてくるもの🌙
片足で立つことは、誰にでもできる簡単な行為かもしれません👣。しかし、目をつぶって片足で立とうとすると、突然それが難しくなります🤔。視覚に頼っていたバランス感覚が遮られるからです❌ 🦶足の裏の意識と新たな感覚✨ 目をつぶると、足の裏の感覚が一層際立ってきます👣。視覚が...
2025年1月8日


話すと、なぜ治るのだろう
話して治るというのは不思議 🌟🌟🌟 友達に話してホッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。たとえば、ストレスを誰かに打ち明けて気持ちが軽くなることがあるでしょう。それを考えると、「人に話すと治る」ということは自然なことのようにも思えます。...
2025年1月1日


ビーチカウンセリングをして思ったこと
浜辺にテントを張り、潮騒をBGMにしたビーチカウンセリング。カウンセリングルームとは異なる空間で、私は毎回、新しい気づきがある。 波の音に耳を澄ませながら、クライアントの言葉に耳を傾けていると、不意に視線が海の彼方に向くことがある。果てしなく広がる海、そしてそれに吹く風が、...
2024年11月1日


秋のモヤモヤ 心が軽くなるヒント
秋の訪れと共に、涼しい風が吹き始めましたね。しかし、この時期に多くの人が抱えるのが、心に忍び寄る寂しさや不安の感情です。心地よい秋風が吹き抜ける一方で、心の奥底にざわめきを感じている方もいるでしょう。寂しさや不安が心に突き上げてくる人にとって、どこか説明しづらい感情かもしれ...
2024年9月28日


心の力量を育む
心の調子と心の向き 日常生活の中で、心や体の調子が悪いと感じることは誰にでもあります。調子が良いときには、私たちは積極的に活動し、社交的になります。しかし、調子が悪いときは、休んだり、寝たり、時には無力感に苛まれることもあります。このとき、活動性が下がり、一見するとエネルギ...
2024年5月22日


カウンセリングを始める難しさ
カウンセリングは何が難しいって、始まりが難しいですね。 今日は、1.始まりの難しさ 2.そのポイントについてお話します。 1.難しさ 初めていらっしゃる方は、初対面で緊張されるでしょう。カウンセリングで治るか、癒やされるかも分からないのに、自分のことを話し出さなきゃいけない...
2024年2月13日


カウンセリングにおける優しさ
カウンセラーは優しい方がよいでしょう。つらいときに、不安なときに、優しく対応してもらうことは、カウンセリングにいらっしゃる皆さんが望んでいることだと思います。 話をじっくり聞くこと、非難しない姿勢、理解を示す言葉遣いなどのカウンセラーの対応によって、「優しいな」とカウンセリ...
2024年1月19日


賀正新年 おめでとうと思えない
お祝いムードの年末年始、クリスマスや初詣、何かと街は騒がしい季節です。「良い年をお迎えください」「新年明けましておめとうございます」と言うことに躊躇します。 悩みにも休日があったら良いのですが、お正月にも悩みはやってきているでしょう。年末年始は仕事が休みで、家族が家にいるこ...
2023年12月26日
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