サーファーと心
- 沢雄司

- 8 時間前
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更新日:7 時間前
海を見ていると、サーファーが波のタイミングを計り、立ち上がり、波に乗っている。コケたり、波を待っていたりする。

サーファーが見ているのは目の前の波だ。しかし、その波は目の前で生まれたのではない。ずっと遠く、水平線の向こうからやってくる。
私たちの日々を動かしているものも、遠くから、昔からやってきているように感じる。
私たちは目の前の出来事に反応し、自分で考え、自分の意志で行動していると思っている。しかし、その「考え方」や「行動の仕方」そのものが、もっと遠いところからやってきている。
外側を見れば、私たちの暮らす生活環境や文化は、自分の生まれる前からの歴史の積み重ねの上にある。自分では当たり前だと思っている価値観や振る舞いにも、何世代もの時間が流れ込んでいる。

心の内側も同じなのだろう。
ユング心理学では、自我の意識だけが心のすべてではないと考える。私たちの知らない深いところから、無意識の働きが絶えず自我に作用している。今日の一つの感情や行動にも、ずっと昔から続いてきた心の流れが届いているのかもしれない。

サーファーは自分で波に乗る。しかし、波そのものを作ることはできない。
私たちもまた、遠くからやってくる無数の波の上で、うまく乗ったり、転んだりしながら、自分で生きていると思いながら、つかの間の日々を過ごしている。

けれど、波を自分で作ることができないと知ることは、自分の人生を諦めることではない。むしろ、深いところからやってくる波をよく見る。そこに、できることがあるのかもしれない。


