カウンセリングの段階
- 沢雄司
- 2023年11月15日
- 読了時間: 4分
更新日:3月3日
カウンセリングの段階
私たちが生きていくなかで、心の悩みを誰かに打ち明けることは、とても勇気のいることです。特に、その悩みが深く、自分自身でも整理がつかないものであればあるほど、「話してもいいのだろうか」「理解してもらえるのだろうか」という迷いや不安が生じるものです。
カウンセリングは、そんな心の葛藤を抱える方が、一歩ずつ自分と向き合い、少しずつ心を軽くしていくための場です。ここでは、カウンセリングがどのように進んでいくのか、その大まかな流れについてお話ししたいと思います。
① 自己紹介 ― 物語のはじまり
カウンセリングは、まず自己紹介から始まります。あなたがどのような悩みを抱え、どのような思いを胸に抱えているのかをお話しいただきます。もちろん、最初からすべてを話す必要はありません。少しずつ、あなたが話したいことからお聞かせください。
カウンセラーは、あなたの言葉の一つひとつを丁寧に受けとめながら、あなたという存在を理解しようと努めます。ときには、「どう話せばいいのかわからない」と感じることもあるかもしれません。それでも大丈夫です。言葉にならない思いも、沈黙のなかに込められた気持ちも、ゆっくりと紐解いていきましょう。
② 信頼関係 ― 心が開かれる瞬間
しばらく通ううちに、「自分を知ってくれている人がいる」という感覚が芽生えてきます。初めは緊張や不安があったとしても、少しずつ「ここなら話してもいいかもしれない」と思えるようになるでしょう。
カウンセラーとの間に信頼が生まれると、普段は押し込めていた感情が自然と表に出てくることがあります。怒りや悲しみ、不安や孤独——それらは、これまで自分でも気づかないようにしてきた感情かもしれません。でも、信頼できる人の前では、それを素直に表現することができるのです。
「こんなことを話してもいいのだろうか」と思うようなことでも、安心して話せる場があること。それは、心にとって大きな支えとなります。
③ 心の作業 ― 自分と向き合う勇気と変化
信頼関係が築かれると、人は初めて自分の心の奥深くへと目を向けることができます。
これまで目を背けてきたこと、本当は気づいていたけれど認めるのが怖かったこと——それらと向き合うのは簡単なことではありません。ときには、見たくない自分に気づいてしまい、つらくなることもあるでしょう。
しかし、それは「本当の自分」と出会うための大切なプロセスです。苦しい時間のなかで、「自分は何を恐れていたのか」「なぜ同じことで悩み続けてきたのか」が少しずつ見えてくるでしょう。そして、気づいたことを一つひとつ受け入れながら、これからの生き方を考えていくことができます。
この過程は、まるで心の深い森を歩くようなものかもしれません。ときに迷い、ときに足を止めながらも、進んでいくことで新しい景色が見えてくるのです。
カウンセリングは単に問題を解決するためのものではなく、本当の意味での自分自身を生きるための道でもあります。過去の経験や社会の期待に縛られず、「本当に大切なものは何か」「自分にとっての真実は何か」を見つける機会となるのです。

正しく悩むことの難しさと、自分らしい生き方を見つけること
もし、あなたの悩みが単純なものであれば、すでに一人で解決できていたかもしれません。しかし、悩みが深くなればなるほど、自分の気持ちを整理することや、人と信頼関係を築くこと、自分自身と向き合うことが難しくなります。
「カウンセリングを受けるべきかどうか迷っている」
「自分の悩みは、話していいことなのだろうか」
そんなふうに思う方も多いかもしれません。
しかし、悩みを話すこと自体がすでに大きな一歩です。話しながら少しずつ整理がついてくることもありますし、言葉にすることで初めて見えてくる気持ちもあります。
そして、その先には「自分らしく生きること」が待っています。他人の期待や過去の価値観に縛られるのではなく、本当に自分が納得できる生き方を見つけること。それは、カウンセリングのなかで育まれる深い変化のひとつです。
かまくら相談室では、信頼関係を築くのが苦手な方や、相談すること自体に不安を感じる方にも安心してお話しいただけるよう、カウンセラーが寄り添います。
あなたが自分自身のペースで、無理なく心をひらくことができるように。
どうぞ、焦らずに、ゆっくりと歩みを進めてください。
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